螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

ホッホー

「拡張してゆく認識。なんかもう、理解できなくもないけど想像力の限界を突破」
あなたの人生の物語テッド・チャン
SF短編集である。ひとつひとつ感想を述べてゆく。
「バビロンの塔」天まで届く巨塔が存在する異形の中世イスラム世界を描く。塔内部に住む人々によって形作られた奇怪な社会の描写だけで最後まで読みきらせてしまった感じ。
「理解」ものすごい勢いで頭が良くなるお薬を打たれた主人公が際限なく天才化してゆく話。その天才ぶりは凄まじく、後半になると常人には彼が何をしているのかすら理解できなくなってゆく。ほとんどギャグ小説だ。
「ゼロで割る」1=2という異常な等式を論理的に証明してしまった数学者の苦悩を描く。発想は面白いのだけど、なぜ主人公がこんなに悩むのかよくわからなかった。多分、数学的な素養を必要とする話なんだろうな、とは思う。
あなたの人生の物語」異星人との会話を試みる言語学者が、彼らの特異な言語を理解してゆくにつれ、驚異の世界認識を身につける話。さすが表題作。凄い&面白い。図らずも得てしまった能力ゆえに引き起こされる、物悲しく美しい最後には、ちょっと涙ぐんだ。
「七十二文字」言葉が物理的な力を持つ世界。人間の本質を表す言葉を捜し求める男たちによるプロジェクトX。わかりやすい娯楽作品。
「人類科学の進化」人類と超人類が共存する社会にて発行された科学雑誌の記事からの抜粋。これについては何が面白いのかまったく理解できなかった。人類側のルサンチマンを笑う話、なのかな?
「地獄とは神の不在なり」天国と地獄が実在する世界。天国に召された妻に会うために夫がいろいろ試す話。神を愛することがテーマなのだが、理不尽で理解不能な存在として描かれているので、なんでこんなものを愛さにゃならんのかよくわからなかった。一神教なんてロクなもんじゃないよ、ということが言いたいのだろうか?
「顔の美醜について」顔の美醜を認識できなくする脳改造の是非についての議論。やっぱり発想は面白いんだけど、これだけで読ませるには長さ的にだるかった。

 ……なんだか「わからん」ばっかりですね……
 まぁこれは読者側の問題だと思います。
 僕は微妙に理解できなかった! しかしこれを読んでいるあなたになら理解できるかも知れないッ!