螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

都会怖い! 都会醜い!

 「すいませ〜ん、ちょっとお時間いいですかぁ〜?」出た。遭遇してしまった。キャッチセールスのお姉さんがそこには笑顔で立っている。途端に気分が少し沈む。「いや、今ちょっと急いでるんで……」当り障りのない嘘で逃げようとしても無駄である。足を速めれば向こうも速める。どうしよう。よくこういうことが起こる。一体なぜ。僕はそんなに騙しやすそうな顔をしていますか。「ちょっと〜? 聞こえてますよね〜?」んがあ。足をさらに速める。向こうもさらに速まる。僕は今イヤホンを付けて音楽を聴くふりをしている。早く去ってくれ。「聞こえないふりしてますね〜? あの〜」あろうことか彼女はコードを引っ張ってきたのである。正直、怖い。足を速める。まだ追ってくる。もはや競歩の様相だ。デッドヒート。しばらくしてやや険しい声で何やらブツブツ言いながら彼女は去っていった。恐怖の余韻と無意味な罪悪感に苛まれながら、思った。次は走って逃げよう、と。