眠い
もうダメだ。誰かマアナ=ユウド=スウシャイを起こせ。
夜が更けると気分が超沈みます。
放置しとくとお前らの嘲笑が聞こえてきてしまって大変なのでバカなことを生やします。
わーいウンコウンコー。
(俺が今どんな格好をしているかも知らずに)
いいえ、それはニンジンではありません。
――このままではいけないと、誰かが言った。
ここではすべての過去がひとつであり、それゆえに均一化された軍曹が硬直を起こしています。壊死です。
すべては遅かったのです。
はい、それはニンジンではありません。
では、それは何だったのでしょうか。
それは、エゴイストが不意にこぼした温かさだったかもしれません。
縁を切った家族との、数十年ぶりの抱擁だったかもしれません。
あるいは透明な化石となっていつまでも残る、ありとあらゆるものへの愛だったかもしれません。
いつか自分のためにととっておいた、それらの小さな輝きたちが、澄んでいたはずの眼を曇らせました。
涙で。
ただ、世界を好きになりたかっただけなのに、と。
「だから言っただろ。てめえらはママのお腹にできた腫瘍なんだよ」
だから何だというのか。そんな事実で人間の歩みが止められるか。
斜に構えるのも大概にしとけ。
ボケが。
泣かないで。
泣かないで。
立て。
(俺が今どんな格好をしているかも知らずに)
(神秘が染み込んだ月夜はまだ確かに、ゲッヘッヘ姉ちゃんゲッヘッヘ、五つの寺院が立つ世界の果て、虚空の座に、それは居る)