毎日こんなしょうもないコトばっか考えてると思うだろ? そのとおり
「とっとと行くぞ! エルフ女子にいいとこ見せて酒池肉林! エルフ女子にいいとこ見せて酒池肉林!」
「レッカどのレッカどの、しゅりるくりんってなんでありますか?」
「なんかの擬音みてえになってんぞ! 酒池肉林だ! アワビに松茸を」
鞘に収まった刀が烈火の顎を打ち抜いて吹っ飛ばした。
なんかちげーんだよなぁあああああ。破壊力が足りない。ボケもツッコミも練り込みが足りない。なんかコミカルな空気だけで、読者の腹筋を破壊できていない。発想力が足りない。
まぁ、最初のセリフは良いとしよう。問題は次のボケだ。不自然な言い間違いだし、ネタになるほど突き抜けて不自然なわけでもないというどうしようもなさ。これで言い間違いの結果面白い単語になるのならまだ救いはあるが、そんなでもない。
ここのボケの緩さというか意識の低さが全体的な完成度の低さにつながっている。
ではフィン少年は何と言い間違えるべきか。
後半の「くりん」はなんかコミカルだし残しても良いかもしれない。では前半どうするか。
最後が「くりん」で終わる面白い言葉。
駄目だ思いつかない。「くりん」にこだわるべきではないかもしれん。
「しゅちにくりん」という言葉を眺めて「朱肉」とか「竹林」とかいう単語が思い浮かんでくるが、別に面白くもなんともない。
ここで必要なのは印象の変化である。烈火のいかがわしい発言が、フィンの発言によってほのぼのとしたなんかに変化し、そのギャップが笑いを生むのだ。
うー、あー、うーん、擬音路線に立ち返って「しゅりりくりん」とかどうだろうか。駄目だ。何の擬音なのか意味不明だ。「くりん」という擬音からは、なんかこう、つぶらな瞳に対するオノマトペという印象がある。では前半も眼に関する擬音で語感が近いものにするか。
何があるか。「しゅちにくりん」の「しゅちに」の部分に近い語感の擬音。何か、何かないか……!
駄目だ思いつかん。
例えば「くりん」を「プリン」に変えてみる。フィン少年はめったに甘いものが食えない環境で育ったので、甘味に対する執着はマジで半端ない。キャラ的にもマッチしたボケだ。ならば前半は何らかの食品からとるべきであろう。「しゅちに」に近い語感の食い物。
うー、あー、おー。
しょうがプリン。
きゅうりプリン。
駄目だ。面白くない。
「とっとと行くぞ! エルフ女子にいいとこ見せて酒池肉林! エルフ女子にいいとこ見せて酒池肉林!」
「レッカどのレッカどの、「ジャギにプリン」ってなんでありますか?」
「知らねーよ! どんだけ哀れまれてんだよあのホッケーマスク! 酒池肉林だ! アワビに松茸を」
鞘に収まった刀が烈火の顎を打ち抜いて吹っ飛ばした。
(頭を抱える)