「いただきます」の欺瞞
今日からしばらく『アマゾンズ』のネタバレ祭り24時なので、あのーなんか見たら死ぬ感じなのでいい感じにしてください。
ハルカくんの最終的な立ち位置というか方針は「人間が自衛のために怪人を駆除することは認めるが、怪人が生きるために人間を食うことも認める」というものであろう。実は人間が悪だったーとかいう薄っぺらい善悪逆転の要素はなく、ハルカくんは人類の味方ではないが、敵でもない立場に身を置くこととなった。人間にアマゾン細胞が付与された存在ではなく、アマゾンに人間の遺伝子が付与された存在――つまり根本から怪人であるハルカくんにしてみれば、これは相当に人間に寄り添った主義主張であると言える。中盤、ハルカくんの正体がまだ明らかになっていなかった頃、穏やかに生きたいと願う怪人たちを彼は庇ったが、「いやアンタ、そいつらいずれ抑制剤が切れて理性を失うんやで? そんなお前、目先の感情にまかせて庇っても後悔するだけやで?」と俺はモヤモヤしていた。いずれ必ず人を襲うようになる存在を庇って、その後起こる事態にお前は責任が取れるのかと。だが違うのだ。ハルカくんの正体を考えれば、人間を特別視する理由など彼にはひとつもないことがわかる。「人間かどうかなんて知るか。あるのは、生きてるかどうかってことだけだよ」という仁ニキの言葉を、そのまま体現する結論に至ったのだ。
時間切れ。
(俺たちにハルカくんを責める資格などないのだ)