螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

ネタバレ:仁ニキかっこいい

 「野性と養殖、二人のアマゾン」。果たして本当に野性だったのはどっちで、本当に養殖だったのはどっちなのだろうか。
 「いただきます」に対してこじらせた反骨心を抱いていた俺にとって、仁ニキの「俺は自分で殺したものしか食わねえ」発言は、実に、なんというか、快哉を叫びたくなる名台詞だった。他者を踏みにじるのは生きとし生けるものすべてに等しく負わされた原罪である。しかし人間だけがその罪から実に巧妙に目をそらすシステムを作り上げた。血と内臓を抜かれた切り身に金を出しておいて、自分は清廉潔白ですみたいな顔をしている。無論そんなわけはない。金を出した時点で家畜の監禁・虐待・虐殺に加担したということであり、それはつまり人間を食う怪人たちとまったく同じ存在であるということだ。違う点があるとすれば、己の手を汚し、罪を自覚しているかどうかだけである。この意味において、人間は怪人以下の存在であり、怪人を非難する道義的な根拠は一切ない。だが仁ニキだけは違うのだ。自分の手で動物を縊り殺し、その血肉を貪る仁ニキだけは、怪人に対して対等な生存競争を挑む資格がある。恐らく仁ニキがこの生き方を始めたのは、自らの手で生み出した怪人たちを殲滅する決意を固めた瞬間からなのだろう。我が子のように思っていた怪人たちを、それでも滅ぼすために、自分の中で筋を通したのだ。

 時間切れ。

(だが、そもそもなぜ我が子同然の怪人たちを滅ぼす強い動機を持つに至ったのか)