ケイネス先生の聖杯戦争第十九局面
ディルムッドとランスロットは激闘の狂乱の中で咆哮を上げる。ここで倒れるわけにはいかぬ。我が今生の主に勝利を捧ぐため、男たちは死闘を駆け抜ける。徐々に増えてゆく手傷。弱敵など一人たりともいない。生前ですらこれほどの窮地に陥ったことはあるまい。だが――やがて、幾人殺めたのかも曖昧になってきたその瞬間、景色が一変する。結界が、解除される。過半数を、討ち取ったのだ。思わず吠えるディルムッド。無敵とも思われたアイオニオン・ヘタイロイを、ついに打ち破った。だが――あぁ、なんたることか。かの征服王自身はまったくの無傷。比べてこちらは消耗しきっている。ランスロットはすでにガス欠を起こして霊体化してしまった。だが――しかし、やらねばならぬ。ここで見逃してくれるほど甘い敵ではないのだ。おもむろに、戦車から大地に降り立つ征服王。手にはキュプリオトの宝剣。無邪気で不敵な笑み。
時間切れ。
(そしてさらに悪いコトに、イスカンダルはんのことだから今回もウェイバーを連れまわしていることだろう。聖杯戦争もすでに大詰め。令呪支援の可能性は、高い)