螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

でも『ハーモニー』の方がずっと好き

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 スラカスは常人には理解も共感も不可能な怪物である。そんな存在を、一般人の代表のように扱って、人類への糾弾とする本エピソードの構造には無理がある。しかし。しかしである。仮に理解も共感も可能な存在だった場合、そもそも「身につまされる話」にならないのではないかという問題がある。普通の人間が共感できるようなことしかしなかった場合、そもそもこんな負のご都合主義に穢された茶番になどいたるまい。あれ? 「身につまされる話」ってどうやって書けばいいんだ? たとえば『アマゾンズ』である。肉を食うことの醜悪性を突きつけるこの作品は、大変に刺さる。そういわれたからと言って俺たちが肉食をやめることなどありえないという点も含めて、救いがない、どうしようもない物語として受け手に襲い掛かってくる。あと、『虐殺器官』もそうだったな。あれの黒幕は、「先進国は永遠に平和で豊かでなくてはならない。そのためなら発展途上国でいくら悲惨なことが起ころうと甘受すべきリスクである。この日常こそが尊い。遠い地域の、聞いたこともない国の、会ったこともない人々の命など、これに比べたら目に入らない」という主張

 

 時間切れ。

 

(のもとに、紛争の種をばら撒き続けていた。いったい、俺たちに彼を怒る資格はあるのだろうか。これもまた、刺さる物語だ)