あまりにもあっけなく巨星墜つ
一撃であった。モッグ氏の血にまみれた斧が唸りを上げ、一瞬にしてクラコルン氏を両断したのである。なにィィィィィ、バカなァァァァァッ!! と、ジョジョ第五部でボスのもとにトリッシュを連れて行ったはいいが、エレベーターの中で一瞬目を離した隙にトリッシュの手首が切断されて残されていたことを認識した時のブチャラティみたいな顔になってしまった。バカな……簡単すぎる……あっけなさすぎる……。恐らくは、モッグ氏は「ヘビーアタック」というスキルも持っていた。反撃不可能な強烈な一撃を与えるスキルであり、これが「敗北が嫌い」とシナジー効果を発生させ、異常な威力を生んでいたのではなかろうか。そう考えるよりほかにない。なんてことだよ……俺は自失呆然となった。勝利の凱歌を上げてクラコルン軍を傘下に収め、悠々と去ってゆくモッグ氏の後頭部に矢をぶち込むという発想すら思いうかばなかった。それほどにクラコルン氏は俺の中で大きな存在だったのだ。そんな……嘘だろ……一撃死なんて……。いや待て。クソデブ野郎のムグルク氏は何度俺に倒されようがしぶとく復活していた。クラコルン氏だってきっと再起してくれる! 俺はそう信じて待ち続けた。いつか小隊長に身をやつしたクラコルン氏が、再び軍勢を率いて
時間切れ。
(モッグ氏に復讐戦を挑んでくれると……だが、どうも軍団長まで上り詰めたオークは復活判定自体が行われなくなるようだった。クラコルン氏は、いつまで経っても復活してくれなかった。俺は涙した)