若干ちょっと最強枠が出すぎな気がしなくもない
とかくレーヴェ氏のインパクトは凄まじかった。勝てなくて当たり前な強さの敵が、隠しボスですらなくストーリー上必ず戦わなくてはならない相手として登場するのである。しかも、めっちゃ苦労して勝ったとしても、ゲーム上、特に何もメリットはないのである。戦闘後のイベント内容が変化するだけなのだ。この「勝たなくてもいい最強の敵」というアプローチ。RPGという媒体において、敵キャラクターの強さをここまで鮮烈に描き出した例を、俺は他に知らない。なにしろ初見では瞬殺される強さなのだ。これに比べると、マクバーン氏の扱いは、インパクトにおいてかなり劣る。設定上、レーヴェに負けない強さのはずであるのに、「三割減らせ」てアンタ……もうすっぱりと負け確イベントにしちまえよと思う。しかしここで俺氏、奇妙な事実に気付く。中期の作品である『碧の軌跡』において、最強枠の敵が二人ばかり登場する。〈赤き戦鬼〉シグムンド・オルランドと、〈風の剣聖〉アリオス・マクレインである。彼らもまたレーヴェ氏に劣らぬ人類最強クラスの猛者であるが――『碧の軌跡』の終盤において、言い訳の余地なく主人公パーティに敗北するのである。
時間切れ。
(ところが、この二人に関しては、「扱いが悪い」などという感想は抱かなかった。これはいったいなぜなのか?)