螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

男のツンデレだと……? 許せるッ!!

 だが、しかし、やはり俺にはできなかった。というかアーロイ氏がどういう人物か、ということを考えなければ片手落ちだと思ったのだ。このゲームは主人公に明確な名前があり、声とセリフがあり、固有のキャラ付けがほどこされている。プレイヤー=主人公ではないのだ。これを無視して俺の意見だけをこの重大な決断に噛ませるのはいかがなものか。そう考えた時、アーロイ氏はニル氏と違って殺し殺されなんて別に望まない人であり、彼女ならこういうとき「お前それ、お前さぁ、お前はそれでいいかもだけどさ、認めた相手と殺し殺されしてればハッピーなんだろうけどさ、わたしは違うんだよ。さっきから聞いてれば全部お前の都合じゃないか。わたしは殺されたくないし殺したくもないんだよ」と言うはずである。その意見を尊重し、俺は、決闘を断った。めちゃくちゃしょげた様子で「ずいぶんと惨い終わりにするんだな……」と恨み言を言いながらこちらに背を向けるニル氏に、俺はかける言葉が見当たらなかった。恐らく、これがこの男との最後の別れなのだろうという確信があった。きっと彼は今後ストーリーに関わってきたりはしないのだと思う。いったいどうするのが本当に悔いなき選択だったのだろうか。いまだにわからない。

 

 時間切れ。

 

(ここで特筆したいのは、ニル氏は殺人嗜好者であるにも関わらず「ならばお前が俺を殺す気になるまでお前と関わった奴を殺しまくってやる」とか言わずにあっさり諦めたという点である。そもそも人を殺したいだけならば山賊に限る必要はないはずだ。機械獣の仕業にでもしていれば堅気の人々を殺したって良かったはずである。だがそうはしなかった。口では露悪的なことを言ってはいるが、ニル氏には一定の高潔さがあったような気がする。山賊の拠点を堅気に解放しても、見返りは一切求めなかった)