気分はベルセルクの蝕
これは。つまり。これは。俺の動揺が、歪律領域(ヌミノース)で顕現していた神聖遠藤帝国近衛騎兵団の面々にも伝わり、罪深き者どもを浄化していた戦闘音がふつりと途切れた。ゆっくりと、皆が俺の周囲に集まってくる。「こ、れ、は……」絞り出すかのような声。やがて、足元から奈落が広がってゆくような、絶望的・根源的な恐怖が俺たちの臓腑を満たした。「ア……ア……」俺は脳の入った容器から手を放し、後ろ向きに這いずっていった。ソレから距離を取りたかった。近くで見ていたら気が狂いそうだった。「クローン……」一人が言った。「クローンですよ!! これは!! だってほら、7743って番号振ってあるじゃないですか!! ねえ!?」「だが、今、これは、俺を、バールさん、と、呼びかけようとした……」俺は顔を覆った。「クローンだから、何なんだ? 死んでいいのか……?」「そ、それは……」「それに、ナンバーが7743ということは、あと最低でも7742体はいるということじゃないのか……!?」俺の血を吐くような叫びに触発されたように、全周囲から重々しい足音が聞こえてきた。いつのまにか、360度を敵に取り囲まれていた。「「「「「「「「「「「「「ドードードードーモ、モ、モ、モ、社社社社畜畜畜畜ロボロボロボロボですですですです」」」」」」」」」」」」」俺たちは、絶叫した。血の涙を振り乱しながら、敵に向けて一斉に殺到していった。
時間切れ。
(続く(続かない(続く(続かない(続く(続かない))))))