深いため息をつきながら、絶無は「視界から消えろ」と俺に言った。優し気ですらある口調だった。
きょ、今日はエラい目にあった……。なんかパルプスリンガーの、かなり穏健派で皆から聖人認定されておる片からDMが届いて、よくわかんないアドレスが書かれていたのだが、俺は「この人が送ってきたDMなら大丈夫だろう」とまったく危機感なくリンクを踏み、何も考えずに踏んだ先でなんか承認ボタンを押してしまった。あまりにも。あまりにも愚かな行為であった。これによってなんかよくわかんないウィルス? ではないが、なんか俺から自動的にフォロワー全員に突如としてDMが送信され、最初に俺のところに来たのとまったく同じ文面で拡散されてしまったのだ。本当にどうかしていた。ふんだんの俺ならばそんなファッキンスパムになど引っ掛かりはしないのだが、まさかあの方のアカウントを乗っ取ってスパムを送ってきやがるとは、本当に恐ろしいことである。俺は信じてしまった。人の信頼に漬け込むとはなんという鬼畜外道か。とにかくパルプスリンガーの方々からのアドバイスに従ってパスワードの変更とログインのし直しとファッキンスパム野郎との連携の解除とスパムDMの削除を行い、ひとまず事なきを得た、と思う。まったくなんたるウカツ! ブザマ! 俺のローカルコトダマ空間に巣食う久我絶無もこれには呆れ顔というか「お前には罵る価値すらない」という
時間切れ。
(憐みの表情を浮かべていやがった!! むかつく!!)