脳漿
分子構造同士が互いに押さえつけ合うことで抑止されてきた、凶兆の禍音を。
それは、
うう……うう……数時間唸って「それは、」しか書けなかった……。死にたい……。いやごめん、実は死にたいなんて欠片も思ってなくて、ただ同情を引きたいからそんなことを言っただけなんだ。オラ散った散った!!!!! あー、なんかこう、候補としては、対象の呪術的抵抗能力を強制的にゼロにする領域を形成する感じの神韻。空間を歪ませる感じの神韻。あと汚染幽骨の固有振動数に共振して破砕する神韻。あと大気中の窒素をものっそい圧縮してポリ窒素を合成し、炸裂させる神韻。みたいなものをいろいろ考えたが、どれもいまいち俺のセンサーに反応しなかった。というのも、元となるのが神韻、すなわち音なのである。音を、自分には無害のまま敵にだけ作用させるというのが難しいのではないのか。たとえば「慣性中立化の神韻」とか出てきたけど、それを受けて特殊な効果が発現する対象は神韻軍刀だけだから、そんなに違和感はなかったのだが、今回総十郎は神韻で敵を攻撃しようとしているのである。そうなると、総十郎自身が無事で、ヴォルさんだけ致命的なダメージを負う理屈を考えなければならないのであるが、この疑問をクリアしているのが固有振動数うんぬんだけなのである。
時間切れ。
(ところがこの固有振動数云々で汚染幽骨を破壊する、というのは、決戦場にいたるまでの道ゆきで総十郎がこともなげに実践しているのである。武器を破壊されるというデメリットを追ってまで繰り出した効果がそれと同じってどう考えてもおかしいやろ)