神秘を剥ぎ取るべきではないのかもしれない
生き方。苦痛の量。哀しみの量。そういったものをぶつけ合う。
どうだ、ヤビソー。オレのこれまでの道行きは、お前の胸を震わせられているか。
満たされず、共感されず、高揚を知らず、共感できず、求め続け、期待し、裏切られ、しかし折れず、諦めず、殺して、殺して、殺し続けた。
そのすべてを、斬撃に込めよう。
オレの生は、お前に何かを刻めているか。この時間を、価値あるものと感じさせてやれているか。
たまらなく愛しい、この一瞬一瞬を、オレたちは分かち合えているか。
あァ、いい返し太刀だ。はらわたと、魂にズンと響く。お前の桁外れの才と、たゆまぬ鍛錬と、想像もできないほどの実戦経験――それが、わかる。
そうした心地よい衝撃が去ったあと、汚染幽骨の肉体の中に、残るものがある。
きらきらと、もろく儚い、孤独さの残り香。
イド見終わりましたか!お疲れ様でした。バス停批判なんてこの世に存在していたのですね……。endo
なんかジョンウォーカー氏がキキ氏をクソ女とか言い出したのが非常にアレでしたね。えっ、そこでオサレ値を爆下げする必要ある??? ぜんぜんわからねえ。ジョンウォーカー氏がキキ氏に悪感情を抱く理由が何もないとしか思えないので。なんか個人的に、敵役がただの「否定されるだけが存在意義のもの」として描かれるのが嫌なんですよね。でもイドの中のイドを現実だと思って、でも事実に気づかされて、「帰ってくるよ」と決して叶わぬ口約束をするとことか、最終話のキキ氏再沈降シーンとか、やはり涙腺が開きます。バス停批判は……というか……アレは批判なのか……彼がどういうつもりだったのか……その設定になぜそんなにイラついているのかがまず読み取れなくて、まぁ俺もたいがい人とのディスコミュニケーションは感じてきた人間ですけど、あそこまで言っていることがひとかけらも理解できなかった経験はなくて、そこに驚異を感じています(脅威ではなく)。人と人はここまでわかりあわないことができるのだ。心の多様性はかくも深く、広い。わかりあう技術なり方法論なりが高度に発達した現代において、九割がたの軋轢が未然に防がれてしまうこの世界において、それでもなお「他者」は理解不能なフロンティアであり続けている。
時間切れ。
(神秘はまだある。俺はその一端に触れたのだろう)