螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

逆張りが悪いわけではないが、一つの逆張りだけで人格を作るべきではない。他種多様な逆張りによって彫刻されることで、確固とした自己は形成される

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 最近銀英伝のことしか書いてないか、ともかく同盟におけるさまざまな不祥事を理由に、ラインハルト氏は同盟の完全併呑を決意するの巻。まぁ、ラインハルト氏は、銀河帝国創始者ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムを目の敵にしており、こいつのような支配者にだけはなるまいと固く誓っているわけであるが、そうなると彼の本来の気質である「征服者にして覇者」という部分が満たせないというアンビバレンツが生じる。このせいで最近はなんか覇気のない様子であった氏であるが、ビッテンフェルトの「陛下は主体的に歴史を作られるからこその陛下であるのに、今回は向こうから来る運命をただ待っておられるだけなのか」という面と向かっての発言を前に「ビッテンフェルトの言やよし!」ってなるあたり、やはりなんというか、見ていて爽快な男ではある。その本質が侵略者であり、平穏な世の中では生きていけないバトルジャンキーである点をこれほど上手く読者と視聴者の目から糊塗できたキャラクターを俺は他に知らない。あぁ、しかし、こうなるとヤン・ウェンリーの方も、ラインハルトに対する逆張りが、人格の一部を成している面はあるのではないかという考えに至ったりもする。

 

 時間切れ。

 

(つまりヤン氏は公人としては徹底的に「民主主義の守護者」として振舞ってきたが、しかし彼自身その大義名分に対してどこまでマジだったのか、というところが不鮮明である。彼の私人としての本質はダメ人間であり、人類社会を律する政体はいかなるものであるべきかという問いからは最も遠い人間であったはずなのだ)