うぬぬぬぬ
果たして自分の書いたことは正しかったのか? わからない。遠藤さんをさらに追い詰めるだけではないのか? わからない。ではこのままほっとくのが最善だったのか? それは……できなかった。実際のところ、一日四時間睡眠だろうがなんだろうがそんなものは個人の自由であるし、それでピンピンして元気いっぱいに日々を過ごしている人も中にはいるのだろう。千人に一人の割合でショートスリーパーは存在する。だが遠藤さんはどう見てもそうじゃなかった。主観的な物言いだが、徐々に力尽きてゆく人の手記にしか見えなかった。たかが労働ごときのために、恩人であり友人である人が吸い殺されてゆくのを、ニコニコしながら眺めていられるほどには俺は達観していなかった。だがそれは、どう言い訳をしたところで、安全な場所から人にきつい言葉を吐きかけているも同然であり、典型的な腰抜けインターネットマンの振る舞いであることは間違いないのだ。仮に遠藤さんが診断書片手に職場に配慮を要求するような事態になったとしても、その精神的にしんどい交渉をやるのはどう転んでも遠藤さんであって俺じゃない。俺は自分で痛みを背負う覚悟もなしに、一方的に、自分の考えを押し付けているに過ぎない。過ぎないと自覚しながらも、やはり昨今の遠藤さんの生活習慣を認めることはできないし、
時間切れ。
(そのような現状を社員に強いているような企業には悪感情しか感じないし、正直なところを言うとなぜ遠藤さんが自分の状況に怒りを覚えないのかが理解できなかった)