螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

俺は。俺は。

 馬が、死んだ。俺は初めて乗騎を殺した。その馬は、かつてゼルダ姫が仲良くなっていた白馬の、恐らくは子孫と思われる個体だった。全身が新雪のように白く、気高く、気性の荒い、美しい馬だった。すべての能力値が悠々とアベレージを越える優秀さだった。俺はすっかり有頂天になり、方々へと乗り回していた。奴との旅は痛快だった。吹き抜ける風が頬を打ち、奴のたてがみをなぶっていった。その疾風が、俺の心を洗っていた。あるとき、俺はポカポカハーブを探し求める旅の途上にあった。サトリ山の東に群生地があるとの情報を耳にした俺は、古代兵器たるガーディアンの徘徊する危険な中央ハイラル平原を白馬で華麗に突っ切り、発射されるビームを軽やかに躱していった。そしてサトリ山が存在する地方への道として、いかなる地殻変動の成果なのか、まるで陸橋のような地形の上を走っていこうとした。陸橋の上には青ボコブリンを見張り役に立てた、黒モリブリンのウォーバンドが寝ていた。まぁ、白馬で騎兵突撃をかましてそのまま突っ切っていけば問題なかろうと思い、俺は拍車を入れた。ところが――

 

 時間切れ。

 

(そこで、白馬は、「キャリバン」と名付けた俺の白馬は、どういうわけかむずがり、進行を拒んだ。おいおいどうしたと何度も拍車を入れるうちに、騒音に目を覚ましたのか、黒モリブリンたちが跳ね起きた。付近の弓矢を掴み取り、こちらに狙いを定めた。その矢は炎の魔力が込められた代物だった。そして馬が180度方向転換するには、それなりに時間がかかるのだった。そのまま火矢の雨が降り注ぎ、俺は、俺は白馬をその場に乗り捨てて命からがら逃げだした。逃げ出したんだ)