2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
フィンの片腕と片目から、鮮黄色の香気が沸き立ち、渦巻き、わだかまる。 少年の体を覆いつくしてゆく。 卑より、貴へと。 霊的な組成が変化し、変質し、錬成される。 光媒素(エテル)の粒子が舞い踊る。吹き溜まる。 一歩、脚を進めるたびに肉が全一性(ユニ…
アンタゴニアスがついに90話に至ってしまった。ここまで長くなるとは……いや、よそう、お前、俺はな、シロガネ王国編だってな、最初はさらっと終わらせて帝国編に行くつもりだったんだよ。あのー、五万字くらいの、中編ぐらいの気持ちだったんだよ。それが…
アンタゴニアス89話をアレする。なんだ、こういう主人公のほうが圧倒的に強い戦いってどう盛り上げたらいいのか毎度わからない。なんなんだ。またか。またあれか。ワンパンマンはなぜ面白いのか談義か。それは過去にさんざんやったでしょうが!!! そして…
「――〈聖餐は教会のなかで、善良な司祭によって与えられようと、悪徳の司祭によって与えられようと、ひとしく神聖である。かつて使徒の時代にみゆべき業をもってあらわれたかの聖霊が、神秘の原理をもって聖餐に命を与えているからである〉――」 駆動文言(コ…
だから二人は、共に一歩を踏み出した。 一人では踏み出せないから。 二人で、その重荷を背負った。 それが悟りだったから。 フィンの肉体はこの瞬間、世界の理を外れ、小世界となった。 己のために生きるとも、ただひとり正義を貫く強さを持たぬとも、それで…
まぁ、その、なんだ、引用がないことからも察せられるが、今日は一文字も書けなかった。いや、時間は、あったんだが、こう、さ、FGOのバレンタインイベントがさ、今日まででさ、なんかこう、周回してたら、「もうこれ得られるもの最後まで得るべきでは?」と…
神は我らを見捨てたのだという声がたくさん出る。そんな中で、信仰の道を説き続けた人だった。 彼は最期まで正義に生き、弱者に手を差し伸べ続け、信仰を捨てることはなかった。 彼の中で、「自分」と「信仰」は完全に合一されていた。 自分のために生きるこ…
「……救われるために祈るのではない。祈ることが救いなのだ」 いつか、礼拝のときに、偉い人が言った言葉。 神は我らを見捨てたのだという声がたくさん出る。そんな中で、信仰の道を説き続けた人だった。 で、性転換する。アッ、かわいらしい! よしよしこれ…
アンタゴニアス88話をアレしましたが、まぁそれは別にいいですわ。それよりもFGOですよお前。なんかバレンタインイベントやってますよ。この時点で何か嫌な予感がしますが、まぁイベント内の戦闘で敵を殺しまくるとチョコがドロップすることがあり、それと…
アンタゴニアス87話をアレする。ついに、ついにアンちゃんの戦闘描写が始まった。長かった。本当に長かった。なぜここまで長く引っ張ったのか。もっと前でも良かったのではないか。いや、アンタゴニアス出てくると、何もかも終わっちゃうし……。アンタゴニ…
「その気持ちは、きっと大切なものだ。正義のために生きること。自分のために生きること。多くの局面で矛盾するこの二つの指針を、それでも止揚しなくてはならない。妥協して折り合うのではなく、そのどちらも活かし、互いが互いを高め合える。そんな統合が…
トウマが、不思議な包容力のある眼差しでこちらを見ている。 「その気持ちは、きっと大切なものだ。 はい。来た。来ましたよ。クソ雑魚ナメクジモード。来ました。入りました。俺はどうしたいのか。とりあえず、トウマの言葉で、フィン少年の中でなんかがあ…
フィンは、唇を噛んで見ていることしかできなかった。 ことごとく次元の違う攻防であったから。 アゴスの斬撃を、フィンは視認できない。ただ総十郎の陽炎のごとき動きから、残る最後の一振りの軌跡を事後承諾めいて推察できるだけだ。 ――だからこそ。フィン…
だが――〈黒き宿命の吟じ手(カースシンガー)〉と噛み合っていた紅刃が身を引き、別角度からギデオンに迫る。巨神の膂力は乗らなくなるが、〈終末の咆哮(ワールドイーター)〉は自律して動くこともできる。 『そウかい〈鉄仮面〉……イいと思ウぜ……オレにはワから…
気高く尊き殺戮の王に捧ぐ、礼讃と弔辞。 だが――〈黒き宿命の吟じ手(カースシンガー)〉と噛み合っていた紅刃が身を引き、別角度からギデオンに迫る。巨神の膂力は乗らなくなるが、〈終末の咆哮(ワールドイーター)〉は自律して動くこともできる。 あーーーー…
あらためて見るとすごい失礼なこと言っててすみません……。このブログからバールさんの動向を追うようになった身なので、昔は「noteやtwitterを匂わせてるけどどこやねん」状態でした。たまにブログの記事内にnoteのリンクが貼ってあった際も、ブクマを忘れて…
「その他の短編はこちら!」という宣伝臭い文句を書くべきだったと思います。【おわり】にリンクを噛ませるなどという迂遠な方法ではなく。小説投稿サイトなんかだと各話の終わりごと(!)に「よかったら評価点お願いします」「感想ください」と書いてある…
『機械仕掛けの墓標』のスキ数が100に到達したけどフォロワー数がさっぱり増えなかったことにキレ散らかしている記事を書いていたらシロガネ書く時間が無くなった。まぁそれはいい。挿絵20枚の完成まではまだまだかかる。それまでに改稿は終わらせれば…
それが、ギデオン・ダーバーヴィルズという男の――すでに生を終えてしまったアンデッドの、魂の咆哮であった。 ● ――ヴォルダガッダ。 ――おぉ、ヴォルダガッダよ。 ギデオンは腹の底から吠え猛る。 仇敵に。旧友に。満身の想いを込めて。 「お前のように在りた…
「王国がため、森を守らんがため、いまこそお前を取り戻そう――〈月輪に轟け我が悲吼(ダーバーヴィルズ)〉!」 それは、ギデオンを本来見初めた神統器(レガリア)。 ダーバーヴィルズ家の嫡子に責任と権威を宿らしむる、霊威帯びたる大型処刑剣。切っ先は丸み…
ギデオンの影が消失し、赫き半月の向かう先に出現する。 黒刃が艶やかに一閃し、大神鎌を音もなく受け止める。だが直後に鎖部分が凶暴にのたうち、ギデオンの総身を削り潰さんと迫りくる。 「王国がため、森を守らんがため、いまこそお前を取り戻そう――〈月…
両手を複雑に組み合わせて印を切り、止縛法が発動。 巨神の腕一本が、電撃を浴びたかのごとく痙攣し、空間の一点に固定される。 「それは腕力では脱せられぬよ。これで、四本。」 一抱えほどもある輪の連なりで形成される鎖が現れ、残る二振りの〈終末の咆哮…
アンタゴニアス84話をアレする。ついに巨神が顕現した。プロローグから実に一年ぶりくらいじゃなかろうか。おひさ!!!! 相変わらずキモグロカッコよくてなによりだ!!!! そして次回にはアンタゴニアスがアーカロトとシアラを乗せて出撃し、アメリ氏…
アンタゴニアス83話をアレする。あのー、これ思ったより早くアンタゴニアスの戦闘シーン入れる感じの流れになってきた。もう相貌失認罪業場の中でのウダウダとかやめる!!!! つまらん!!!! え? じゃあデイルとかどうすんの? そのへんで活躍させる…
烈火は目の中に飛び込んできた異物感と痛みに、思わず瞼を閉じた。 「うげぇ!!!!」 砕け散り、散乱した、微細な欠片。 散弾銃のごとき速度と散布角を持って迫りくるそれらは、もちろん世紀末伝承者の肉体に何らダメージを与えるものではない。 だが、目…
――泰斗光衡鋼甲功(たいとこうこうこうこうこう)。 黒神烈火が為していたことは、実に単純である。なんかすごい呼吸法で肉体をオリハルコン的な強度に変えさしめる感じの奥義であった。 原理不明!!!! そして――この技の使用を即座に判断させるほどまでに、…
〈終末の咆哮(ワールドイーター)〉の切っ先が幾度もその体を捉え、幾度も彼方まで打ち飛ばしているにも関わらず、両断も圧壊もせず、心折れることなく、雄叫びを上げながら吶喊してくる。 それは、なんと幸福なことだろう。 もはやヴォルダガッダの中に怒り…
二人の男の背中を成すすべなく見送るしかない。トウマも、フィンも、アゴスの斬撃に対応できないのだ。総十郎、ギデオン、烈火とは、生きている時間が異なる。 トウマは、唇を噛んだ。 「フィンくん」「はい」「悔しいね」「……はいっ!」 ● ヴォルダガッダ・…
出現した神韻軍刀の鯉口を切り、総十郎は前に――血の神アゴスの斬間へと踏み入ってゆく。 「付き合おう。我が身命をもって、一振りは封じて見せようではないか」 ギデオンも躊躇なくそれに続く。 二人の男の背中を成すすべなく見送るしかない。トウマも、フィ…