螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

イドマとマヌエの活躍にご期待ください

「大暴れ世界征服日記」
BASTARD!! 黒い虹/萩原一至ベニー松山
最強無敵超絶美形の大魔導士ダークシュナイダー様が極大魔法ブッ放してフハハハハー! な話。原作マンガは読んだことないのだけれど、これは面白い。あらゆる面で人間を超越し、弱者に対して一片の慈悲も示さない主人公は間違っても感情移入できないのだが、強いものとカッコイイものに対する男の子の原初的な憧れを刺激してくれる。ただ強くて完璧で傍若無人なだけでなく、何も特別な力を持たない普通の女の子に説教されて真剣に考え込んでしまうようなお茶目さがおかしい。このシーンから主人公が一気に魅力的になった気がする。敵役は主人公以上にどうしようもないワルどもなので、どれだけ主人公が虐殺しまくろうがまったく心が痛まないのも良い。ヘタレ悪役どもをしばき倒すだけでなく、ちゃんと強敵との死闘も用意されているので大安心。そして文章が良い、というかスゴい。難しいことを言っているのだけれども、すんなりと頭に入ってくるミラクル。説明文は概して退屈になりがちなのに、別段つまることもなくスラスラ読み進むことができるのはなぜだろう。この文章能力はぜひとも修得したい。本シリーズは今のところ二巻出ているが、派手な戦闘の多い一巻よりも、世界の描写に重点の置かれた二巻のほうが段違いにクオリティが高いと思う。貧窮し荒廃した社会情勢や異形の軍勢の編成、物凄い魔法理論描写、絡み合ういくつもの黒い思惑など、見所にはこと欠かないのだが、中でも圧倒されたのが食事シーンである。敵役どもが大量の肉を好きなだけ欲しいだけ思うさま貪り喰ってるだけの場面なんだけど、私は読んでて胃の腑がぎゅるぎゅる言うのを抑えられなかった。恥も外聞も捨てて「俺も生肉貪りてぇーッ!」と絶叫したくなる。それほどのインパクト。いまだかつてここまで圧倒的な食事シーンを読んだことがない。なんか、マンガ肉に対する憧れを思い出させるような、現実には決してありえない食事というか、うん。