螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

魔力譜面展開!

「きんにくさいこう」
(回帰大陸記/作者忘れた)
ネット小説である。そして我が創作のルーツともいうべき作品である。ジャンルは少年向けアクションファンタジー。なんか戦闘職能者を養成する学校っぽい所に通っている少年少女三人組が、べらぼうに強い謎の青年にくっついて旅をするとか、そんな話だった気がする。仔細は忘れた。なんたって数年前に読んだきりなのだ。わかりやすくハイセンスな言葉回し、震えがくるほどカッコイイ戦闘描写、主役三人のほのぼのとした掛け合い、魔術の発動システムを音楽の譜面になぞらえて構築した設定の妙。今思い返してみても、ネット小説の域を超えたクオリティだった気がする。それよりなにより熱烈にリスペクトしたいのが、敵役の一人として登場するとある登場人物についてだ。「一人大隊のバルア」とゆーカッコイイあだ名のその男、言い表すなら「でっかい斧を振り回すマッチョの大男」である。ライトノベルという舞台において「マッチョ」「斧使い」という特徴は、ただそれだけでヘタレのやられ役に貶められても文句の言えないほどのハンデである。しかしそんなジンクスを嘲笑うかのように、この男はとても強くてカッコよかった。当時の私にとって、彼は衝撃的なキャラクターであった。「マッチョ=動きが鈍い」というイメージを鼻で笑いつつ神速の攻防を渡り、「マッチョ=頭悪い」というレッテルを踏みしだきながら高度な戦術を組み立てていた。思わず、いっしょうついていきます!と叫びたくなるほどの強敵ぶり。これ以来、あらゆるフィクション作品にてマッチョなキャラクターと出会うたびに、私は彼らを応援するようになった。もっとも、大抵の場合悲しい結果に終わるのだけれども……。とにかくそんな意識改革を私の裡に生ぜせしめたこの作品であるが、掲載されているサイトはもう何年も前に閉鎖されており、今となってはもはや読むことはできない。もう一度読み返したくてたまらないのだけど、誰か保存してませんかねと。