螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

最近女の子向け作品のごとき扱いになっているのが悔しい(理不尽)

「あまりのスゴさに唖然」
(吸血鬼ハンターD/菊地秀行)&トリニティ・ブラッド吉田直
一万年以上先の遠未来。超絶的テクノロジーと中〜近世の耽美な空気が同居する世界。かつて地球全土を支配した吸血鬼たちも没落し、しかし辺境ではいまだに闇の権化として恐怖を振りまいている。そんな中、Dと名乗る吸血鬼ハンターの青年が背中の長剣で怪物どもをバッタバッタ。そんな話。まぁ何はなくとも面白かった。面白かったが、今はそんなことはどうでもよい。それより何より驚くべきことがある。この作品、『トリニティ・ブラッド』というラノベと恐ろしいまでに激似なのだ。いや、初版発行年を見る限り『トリニティ・ブラッド』が『吸血鬼ハンターD』に似まくっているとするべきか。とにかくスゴい。何がスゴいって『トリニティ〜』の作者であるところの故・吉田先生の度胸が。もう、ここからパクるかというかここまでパクるかというかどこまでパクるんだという感じで世界設定から雰囲気、台詞、人物に至るまでそっくりである。もはやバレないようにしようというセコい意志が最初からまったく感じられない、いっそ潔いほどのパクりぶりである。いや勘違いしてもらっては困るが『トリニティ〜』を貶めたいわけではない。『D』の二次創作と考えるなら、後にも先にもあれ以上のクオリティの作品は生まれないであろう。僕はただ、吉田先生の見上げた度胸と、それを寛大に許した菊地御大の器のデカさ、それに両者の作家としての実力の高さに感動しただけである。もちろん両作品にも違いはある。『トリニティ〜』の方はコメディシーンや若くて美形な登場人物が多く、十代の読者にも受け入れやすい作風だろう。一方『D』は剥き身の異形耽美世界が広がっており、出てくるテクノロジーや怪物・怪人のトンデモぶりはこっちの方が上である。ついでに言うと泣ける度も上のように思う。どちらかと言えば『D』の方が好み、かな。感想じゃないような気がするけど、普通に書いても空疎な美辞麗句が並ぶだけだし、まぁいいや。