螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

過去の文章、発掘更新その2

 (前回までのあらすじ)
 ロリコンであるところの俺はなぜか死んだ。気がつくと教室みたいな所にいた。そばには旧スクを着用した可愛らしいロリッ娘がおり、息を荒げる俺。リボンと名乗るそいつはどうも天使であるらしく、俺が天国行きか地獄行きかを見極める試験をこれからすると言う。と、そのとき突然眼の前の黒板にヒビが入ったのだった――


 俺の目の前に、みっちりぴちぴちと盛り上がる肉の塊が現れていた。
 紺色の布に完全に包み込まれていながらなお、ソレの持つ存在感はほとんど破壊的なまでに強大であった。圧倒的な質量をもって俺の眼前に突きつけられたソレは、あたかも母親の胎内で誕生の瞬間を待ち焦がれる赤子のごとく、解放の時への期待にみじろき、震えていた。ソレを覆う紺色の布地はすなわち拘束であり、ソレの巨躯がぶるんと跳ねながら周囲への暴虐を振りまくのを防ぐためのものであったが、しかし暴力の権化がごときソレの威容を封ずるには、あまりに薄く貧弱と言わざるを得なかった。ソレの中を凶暴に脈打つ血管や、張り詰めた表皮、そして雄々しく硬直する肉の筋ひとつひとつの様子が、布地ごしにも手に取るように観察できた。ソレは怒り狂っていた。まるで極限の高みに至らんと建造されたバベルの塔のごとくに、あるいは、神への反逆の意思を象徴すべく突き上げられた剛槍を模しているかのように、その傲然たる雄姿で天を指し示していた。ただそこに在るだけで周囲を冒涜的な空気で満たし、俺の認識の態相を著しく崩壊させるソレは、さらなる悪夢を顕現させんとするかのように行動を起こした。ソレの姿様を強調する邪悪な意志に定められているかのように剥きだしにされた、はじけるような盛り上がりを見せる大腿四頭筋がソレの両側から下へと伸びていたのだが、これらの筋組織が規則的に屈伸と伸長を繰り返し、――あぁ、なんということだろう――ソレを揺すったのだ。俺は絶望的な諦念とともにソレの正体を悟った。ソレは、あらゆる人間が存在を知っておきながら眼をそむけ、いかなる狂気のもとでしたためられた禁忌の魔導書にも掲載されていない、地獄めいた怪異、究極の異形、〈猛きものモ=コーリ〉にほかならなかった。
「ホッホーォウ! よく来たな少年!」
 その男は山のような隆起を見せる上腕二頭筋三角筋を凄い勢いで収縮させて、今しがた突き破って破壊した黒板の破片を落とした。同時にクイックイッと腰を左右に揺すっていた。そのたびにモ=コーリは己の存在を誇示するように暴れた。
 その男はマッチョだった。ものすげえマッチョだった。キモス。キモス。しかも何の冗談かスクール水着を着けていた。超ぴっちり。 超食い込み。超モッコリ。キモス。
 両手を頭の後ろにやって胸をピクピク動かすことで、鍛え上げられた大胸筋と腹直筋、および内外の腹斜筋を無意味にアッピィールしつつ男は言った。
「フッ! フッ! 私はッ! 君のッ! 試験をッ! 監督するッ! 力天使(ヴァーチャー)ッ! 名をッ! モコリエルッ! 以後ッ! よろしくッ!」
 きらめく汗の飛沫が周囲をかぐわしい香りで満たした。
 死にそうな俺をほっといて、モコリエルとやらは背中をこっちに向けながら両腕を肩の高さに持ち上げた。スク水越しにはっきりと浮かび上がる大円筋、広背筋、脊柱起立筋などを執拗に誇示しつつ、宣言した。
「早速試験を開始する! さぁ席に着きたまえ!」
 しかし俺は度重なる精神的なダメージによって放心していた。ただ目の前の筋肉だるまを呆然と眺めることしかできなかった。頭が真っ白になっていた。
「はい、答案用紙で〜す」
 そこへ救いの女神が現れた。あぁ、いいなぁ、ロリ。可愛いなぁ。眼の保養だなぁ。
 俺は下卑た目でリボンの未成熟で蟲惑的な肢体を舐めるように見回――――そうとして、あってはならないもの発見した。
 股間。モコーリ。なぜ今まで気づかなかったのか。そう、奴はロリではなくショタだったのだ。しかも微妙におっ立てていた。
 かくして俺は崩壊した。