螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

要約:ネタがない

 あまりにも勝てないので俺氏、ついにドーピングを決意する。
 これまでの冒険で貯めに貯めてきたドーピングアイテム「結晶」を、とうとう使うべき時が来たのだ。
 これは俺史上において前代未聞の出来事である。そんな、ドーピングアイテムなどと、汚らわしい……恥ずかしくないのかしら、自ら積み上げた実戦経験以外のものに頼るなんて……あぁ嫌だわ、そこまでして勝ちたいのかしら。などと口の端に逆チョップを当てながら今までこの方RPGでドーピングなどという外法に手を染めることを頑なに禁忌としてきた。だってさー、なんかさー、不公平じゃね? なんとなくパーティメンバー間で格差ができるのが嫌というか、まんべんなく強くしていきたいという病的な妄執に駆られているのである。そして主人公だけが出ずっぱりになるので一人だけ微妙にレベル高くて後はすべて横ばいである。連れて行く基準は「レベルが低いから」などと意味不明な供述を繰り返しながら、俺は今まで数多の世界を救ってきた。
 しかしエスカリオはあまりにも手ごわかった。これまでも俺はキャラ間の格差を体感した時にちょいちょいと謎の罪悪感と背徳感にさいなまれながらドーピングしてしまったことがあるのだ。
 しかしもはやそのような妥協的というか消極的なドーピングではどうにもならぬ。どうあってもあの超絶地獄四連戦を突破せねばならないのだ。これは天命である。我はいかなる手段を用いても、この時間軸的に閉じた極夜の世界の意義に迫らねばならぬのだ。端的に言うとトレハンやレベル上げに飽きた。


 で、何も考えずにテキトーにドーピングするなどと俺の偏執的バランス妄執が許さぬので、まず現段階でのパーティメンバーの格差について詳らかにせねばなるまい。
 この世界では、キャラやクラスごとにパラメータの上昇値が設定されているわけではなく、レベルアップするたびに好きな能力値を1ポイントだけ上げられる仕様となっている。
 つまり「初期値の合計」+「レベル数」=「現時点のパラメータの合計」ということだ。
 そして現時点で最もレベルが低いフィン・インぺトゥス(LV40)のパラメーターは、

 腕力:11
 知力:9
 信仰:36
 耐久:8
 敏捷:26
 天運:10

 であり、合計値はキリよく100だ。
 彼を基準点として、それぞれのキャラクターがフィン少年と同じレベル40だったときのパラメータの合計を推定できる。この結果算出された数値がフィン少年の合計値100よりどれだけ高いか低いかで格差が判別する――かに思われたが、よく考えるとそれ以外にもパラメータが変動する要因があることを思い出す。キャラメイク時に設定できる才能のうちに「武運」というものがある。これは初期パラメータに3ポイントボーナスを加えるというものだ。「武運」以外の才能を選んだ者らは、数値に現れない強みを持っているので、当然格差を調べる際には「武運」持ちの合計点から3を引いておく必要がある。
 さらに加えて年齢によるボーナスもある。二十歳以上だと初期パラメータが+2される代わりに生命点が一点減る。六十歳以上だと初期パラメータが+4される代わりに生命点が二点減る(普通は一点しか生命点がない状態となるだろう)。これも当然加味する必要がある。
 まとめると、現時点でのパラメーター合計から

 LV40を超えた数だけ−
 高齢者は−4
 壮年は−2
 武勇持ちは−3

 というかんじで不必要な因子を除去したLV40時の純粋合計値が以下である。(なお、非戦闘員の闇灯聲司郎と久我加奈子は除外する。一応パラメータはあるし、クラスチェンジすれば実戦に出せもするが、その予定はないのだ)

 螺導:107
 攻牙:104
 絶無:102
 狼淵:102
 総十郎:102
 フィン:100(基準点)
 維沙:100
 シャーリィ:100
 烈火:99
 リーネ98
 魔月:98
 黒澱さん:97
 篤:97
 藍里:97

 螺導はんつえーなオイ。これでほとんど実戦に出ないのだから宝の持ち腐れである。
 上位陣が軒並み物理戦闘キャラで、下位になるほど魔法キャラ率が高くなる傾向にあるようだ。まぁ考えてみたら当然で、戦士は「腕力」「耐久」「敏捷」の三パラメータを上げる必要があるが、ウィザードは「知力」を、クレリックは「信仰」をあげときゃとりあえず使い物になるのである。よって不足を感じることがほとんどなく、消極的ドーピングの対象とならなかったのだ。
 まぁ螺導はんには今後とも「ほとんど表に出てこない謎の切り札」感を出していってもらいたいので、次に純粋合計値の高い攻牙を新たな基準とし、螺導以外の全員が104になるように各「結晶」を食わせて行けばよいわけだ。
 いやーよかったよかった、これで公平に超強化できたぞー! と思ったのもつかの間、あることを思い出す。
 死にパラメータがあるじゃねえか。
 どういうことか。例えば物理戦闘キャラクターに「知力」や「信仰」の数値は全く不必要である。同様に、魔法職にも「腕力」だの「耐久」だのはお呼びじゃないのだ。お呼びじゃないのだが、初期パラメータには容赦なく死にパラメータにも数値が振られているのである。この分を除去せねば、純粋合計値とは言えないのではないか。真に公平とは言えないのではないか。
 しかし完全に無意味とも言い切れないのだ。今後クラスチェンジして魔法が使えるようになる可能性とて0ではないし、後半の強力な装備の中には要求パラメータが存在するものも多い。死にパラメータだからといって安易に無意味と決めるわけには……いやしかし……
 オチもないまま終わる。