螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

堕天使†降臨


上「はい、というわけでね! 今日は三馬鹿トリオが新戦力を連れてくるっていうからね! さっそく外に出てみようね!」
右「三馬鹿ってオイ、大丈夫かよ。どう考えてもマトモな奴が来そうにないんだが」
左「まぁウチにマトモな人材なんていませんから特に問題ないですねー」
右「ちょっと待て俺も入ってんのかそれ」
上「まぁ、こんな環境だからね。染まるよね。仕方ないよね!」
右「うるっせえええぇぇぇ!!」

 そんなわけで〈網膜の恍惚〉首脳陣は玄関先に集合したのであった。
ザメンホフ「本当に大丈夫なんでしょうねえ、このドチンピラトリオが。もし使い物にならない連中だったら、この私の時間を無為に浪費させた罪で『ムカデ人間』ならぬ『ウロボロス人間』に改造しますからね?」
三馬鹿「モノ食う所がない!? い、いや、大丈夫っスよ! マジすごい大物っスから! きっとみんな目ん玉ブッ飛びますよ!」
女獄長「ホントですかねー?」
三馬鹿「あ、見えたッス! やべー本物だ! やべー!」
ヴァトハール「うん? どこどこ?」
三馬鹿「上ッスよ上!」
 瞬間。
 空が陰った。

 コモラフの闇天を優美に翔ける、ひとつの影。
 艶やかな黒い羽根が舞い狂い、その者の罪を喧伝する。
 ――愛してしまったという罪を。
 
 
 ぞっとするほどしなやかな動作で、《彼》は音もなく着地した。

胸板兄貴「いや、遠いよ! 位置ずれ判定で6ゾロ出しやがったよアイツ!」
 舞い降りた男は、しばし周囲を見渡したのち、トボトボとこちらに歩み寄ってきた。
「〈歪み〉の神々は、今日も俺に嫉妬しているようだ……」
三馬鹿「カ、カッケー! 禍つ神々に嫉妬されちゃあ到着位置もズレるわな! そこまで妬まれるとかパねぇー!」
胸板兄貴「えええええ……なにこいつ……」
女獄長「ま、まさか、下コモラフで人気沸騰中のV系インディーズバンド『スペルヘリクス・クライクライクライ』ヴォーカルのー!?」
 女獄長の誰何に、舞い降りた男はクルリと背を向け、自らの体を抱きしめた。

「《シン》……それが生まれながらの咎人の名……自らの罪を歌に乗せ、愛という名の堕落を呼び覚ます悪魔……」
三馬鹿「ヤ、ヤベー! なんて憂いに満ちた自己紹介なんだ! 語りつくせないほどの哀しみに満ちた人生を感じさせるぜ!!」
女獄長「やだ……かっこいい……」
 シンと名乗る男は鋭いターンを決め、こちらを振り返った。

シン「愛は哀しみを生み、哀しみはまた罪を生む……わかっていたはずなのに、見捨てることもできなかった……」
三馬鹿「シンさんは俺たちの招待に感謝してるぞ!! か、感激だ! 生きててよかった!!」
女獄長「キャーキャー!」
胸板兄貴「うん、また会話が通じそうにない奴がきやがったよ。そろそろ泣いていいか? 泣いていいよな?」
ヴァトハール「サ、サインお願いできますかッッ!?」
胸板兄貴「おめーもかよ! アーコンのくせにサブカルに染まってんじゃねえよ! あとパンツ取り出すな! それに書かす気か!!
シン「五つの彗星に撃たれる覚悟はあるか?」
三馬鹿「な、なんだって!? 他のメンバーも来ているって言うんですかい!?」
胸板兄貴「そう言ったの!? ねえそう言ったの今!?」
シン「急いで伏せな。俺という伊達ワル神話の吟じ手が降りてくるぜ……」
 その言葉と共に、四つの影が黒い翼を広げて舞い降りてきた。

胸板兄貴「だから遠いよ! そのスキャッターダイス替えろよ! 呪われてるよ!」

「ベースの《レイ》」

「ギターの《シュウ》」

「キーボードの《ユダ》」

「ドラムの《サウザー》」
胸板兄貴南斗聖拳かよ!!」
シン「五車星ではなかったことが、俺たちの最後の良心……」
胸板兄貴「うるせえええええ! 五車星の何が良心的なんだ! 誰がフドウをやるかで揉めるだけだろそれ!」
ヴァトハール「まぁ、誰がヒューイやシュレンをやるかでも揉めそうだよね」
三馬鹿「一番揉めるのはリハクっしょ!」
胸板兄貴「いやどーでもいいよ! とりあえず羽根生えてるテメー! おめーはメンナク兄貴で十分だ!!」
メンナク兄貴「理由なき抑圧と弾劾。それが俺たちの宿命……」

 ともかく、メンナク兄貴とバンドメンバーが仲間になった!!