ケイネス先生の聖杯戦争第二十八局面
決戦場は、そうだな、柳洞寺にでもしておこうか。あそこの境内はただっぴろいからな。いい感じだ。それに冬木市の第一の霊地だから、アーチャー撃破後すぐに聖杯降臨の儀式を執り行える。そこに至り、あのーなんかあったよな、魔術的な花火による信号が。あれを使ってアーチャー陣営を挑発する。「我、勝利せり」。この種の煽り耐性/ZEROなギルはきっと来てくれる!! 境内に悠然と、そして燦然と姿を現すは万夫不当の英雄王。それを出迎えるのは――ディルムッドただひとり。おや、バーサーカーは? いぶかるアーチャーだが、まぁ別にどうでもいいかと思い直す。ディルムッドの胸元には、依然として小聖杯が括りつけられていた。そんなもの効果はないとわかりきっているはずだが、ケイネス先生が何故かつけてけと命じるのでつけているのだ。「英雄王、お前がこの聖杯の所有権を主張するのなら、力ずくで奪ってみせろ」「ほう、よく吠えた雑種。無様に悶死する前口上としてはまずまず悪くない。せいぜい我(オレ)を愉しませろよ」ギルの周囲の空間に多数の波紋が発生する!
時間切れ。
(男ディルムッド、ここが天王山である。)