螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

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ケイネス先生の聖杯戦争第四十四局面

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 久宇舞弥は待っていた。狙撃魔銃の射線は、ヴィマーナの船体によって切られており、ディルムッドのための支援射撃ができないこの状況をじっと耐えながら。思い人は五画の令呪をもって必ずアーチャーを追い詰めるはずだと信じて。アーチャーが必ずヴィマーナをひっくり返してディルムッドを振り落とすはずだと信じて。そして――その瞬間は訪れる。ランスロットは生きた三脚と化して狙撃魔銃を捧げ持ち、上方向への変則的な狙撃を可能とさせた。コンディションは万全。祈るように、あるいは寿ぐように、不思議と静謐な心持で、舞弥は引き金を絞った。背を下に向けたヴィマーナに、鎖の宝具でしがみついている英雄王へと。――命中。唐突に腕が引き千切れたギルガメッシュは一瞬の混乱に襲われる。そのわずかな機に、ディルムッドは四画目の令呪を燃やして空間転移。英雄王の目の前に移動すると同時にゲイボウを閃光と化さしめた。だが――ここで天の鎖(エルキドゥ)は友を守らんと一瞬で槍兵を拘束。しかしディルムッドに神性スキルはなく、ただの頑丈な鎖と何ら変わらない。最後の令呪を発動させて凄まじい剛力を得たランサーは一瞬で高速を脱し――咆哮とともに全霊を込めた刺突を――解き放った。

 

 時間切れ。

 

(その槍に曇りはなく、騎士の道の具現がごとく、真っ直ぐに伸びていった)