螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

ただ生きようとする、あなたより先に泣きそうで

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 そもそも「生きるとは醜く、救いがない」という主張には、無意識のうちに「生きることは義務である」という前提が含まれているように思う。生きるということはとうてい肯定できるものではないが、しかし俺たちは生きる以外にどうしようもない。だから救いがない。――そういう葛藤を前提として、本作の悲劇、惨劇、絶望は織りなされているのだ。しかし――「そんな、まるで義務みたいに……」。この発言は『仮面ライダーアマゾンズ』という物語の、最も根本的な前提をひっくりかえす、極めて致命的な発言であったと思う。義務ではないのだとしたら、今まで描かれてきたものはすべて体重を喪う。「生きることは醜い? じゃあ死ねばいんじゃないスかね?」という、鼻をほじりながらなされたとしか思えないようなてっきとーな反駁が成立してしまうのだ。なんたる強烈なアンチテーゼなのか。さすがは完結編だ。この前提否定に対し、いったいどのような答えを出すというのか。俺は固唾をのんで視ていた。しかし――これを発言した家畜アマゾンたちは、後半実にあっさりと前言を撤回し、生きるために脱走してしまうのだ。

 

 時間切れ。

 

(え、ちょ、待ってよ君たち、ってなった)