そして唐突に力尽きる

　アマゾンズという物語の道義上のヒエラルキーを考えてみよう。まず、植物を食うだけでも命の維持は可能であるにもかかわらず、動物たちを大量に監禁・虐待・虐殺して食っている人間たちは最底辺である。そして、同じく他者を殺して食っているものの、その罪業から目をそらさず、自分の手で殺して食っている通常アマゾンと仁ニキはそれよりは上である。さて、そこで家畜アマゾンである。彼らは植物だけを食べ、そして最後にはその身を捧げて他者に奉仕する。すなわち道義上ヒエラルキーの頂点に位置するのが彼らだったのである。たとえそれが人間たちの醜い打算と欲望によって仕込まれた生き方だったとしてもだ。だというのに――あまりにもあっさりと、その頂点の座を捨ててしまうのだ。そんな……なんだろう、なにか非常にもやもやと腑に落ちないのだ。あああああうううう、ほんで、まぁちょっと話を変えるか。仁ニキである。彼はアマゾン絶対殺すマンであり、人間には決して手を上げない男であった。一期でアマゾンとは何の関係もない人間の殺人鬼が登場するが、その非道に激怒して殺そうとするハルカくんを力づくで止めている。

　時間切れ。

（人間を裁いて良いのは人間だけ。そういう信念の男であった）