螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

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ケイネス先生の聖杯戦争第五十五局面

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(※画像は特に関係ありません。本日は一勝一敗ポォーウ!!!!)

 崖上にどうにかよじのぼり、途方に暮れる一同。「……どうするんだ?」雁夜おじさんの声に触発されて、みんな一斉にケイネス先生を見る。それでもケイネス先生なら……ケイネス先生ならなんかこういい感じの作戦を捻り出してくれる……! そんな期待の混じった視線どもを受けながら、先生は深い深いため息をつき、眉間を揉み解した。「久宇舞弥。新たな爆薬を調達するのにどの程度かかる?」「少なくとも隠蔽が不可能になるほど浸食が進むほうが早いわね」しかもことは隠蔽うんぬんの次元で収まりそうもなかった。ケイネス一行を明確な敵対者と見なした大聖杯は、重力に逆らって汚濁の奔流を穴より溢れ出させる。臓硯の末路を思い返すまでもなく、触れたら終わりであろうことは容易く予想できた。先生は即座に月霊髄液を壁状に展開。泥をせき止めようとする――が、全身が焼き尽くされるような苦痛が襲い掛かる。咄嗟に礼装のコントロールを放棄して魔術的なつながりを断ち、事なきを得るが、今の一瞬で魔術回路の何割かが死滅した。血相を変えたディルムッドは舞弥はんと先生を両脇に抱え、逃走を開始。雁夜おじさんを雑に担いだランスロットもそれに続く。「我が主よ、ご無事ですか!?」「おのれ……月霊髄液を失った。何たることだ。だが無駄ではなかったぞ。接触した一瞬で、泥の性質は解析できた」「性質?」「あれは触れた物にアンリマユの悪性を感染させる。人間であれば悶死は免れんが、サーヴァントならば即座の死亡はない。ただし全人類の邪悪性を叩き込まれれば、その魂は救いようもなく歪むだろう。お前とて狂気と惨劇を振りまく存在と化すであろうな」「なんという……」「雁夜! 聞こえるな!」「何だ!?」「令呪をもってバーサーカーに理性を取り戻させろ!」「!!」目を見開く雁夜おじさんだが、ともかくその言葉に従う。……結果、令呪三画を費やして、ようやく聖杯より科せられた狂化の呪いが一時的に取り払われた。そして現状を正しく認識したランスロットは、雁夜おじさんを地面に下ろすと、「マスター。いきなりだがかなり魔力を貰うぞ」そう背中越しに語り掛けてくる。そして。「――縛鎖全断・過重湖光(アロンダイトオーバーロード)ッ!!」佩剣を引き抜きざま真名解放。対軍宝具としての力を発現させたアロンダイトが、黒き奔流を吹き散らし、穴への道を作った!