螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

うはwwww禿燃えスwwwwっうぇっうぇwwww

「ラスボス怖ぇ。超怖ぇ」
(風よ。龍に届いているか/ベニー松山
人類社会の滅亡がどうあっても避けられないところまで来てしまった剣と魔法のファンタジー世界で、それでも迷宮に取り残されてしまった仲間を救うために奮闘する男たちの物語である。序盤はひたすら恐怖を煽る筆致で迷宮内に巣食う脅威を描き、読者に「え、マジで助けに行くつもりですか?」と思わせる。破滅の時は刻一刻と迫ってきており、ともすれば何もかも投げ出してしまいそうな状況下、しかもホラー小説に出てきてもおかしくないほどグロテスクで凶悪な異界の妖獣たちが何故か迷宮内をうろついている。しかしそれでも主人公たちは前進する足を止めないのだ。仲間のために。それが燃え。中盤はキャラクターたちの掘り下げと仲間同士の絆を描き、同時に事態を裏で操る複数の強敵たちに顔見せをさせる。登場人物の人格や人間関係は王道で真新しいものではないが、しっかりと描かれている。それよりなにより「強くて魅力的な敵役がたくさん出てくる」というこの状況が戦闘シーンジャンキーな私にはうれしい。誰も彼も「こいつがラスボスだ!」と言われれば納得してしまいそうなほどの個性と強さを持っている。それが燃え。そして終盤は今まで張りに張りまくった伏線を消化しつつ「なぜ世界が破滅してしまうのか」という根源的な謎に迫ってゆく。そして怒涛の戦闘の連続。これまでとは比べ物にならないほどの過酷な戦いを主人公たちは強いられる。普通のバトルものだと、戦闘シーンを読んでいても「まぁきっと主人公勝つんだろうなぁ」という安心というか諦観というかそんな気分が多かれ少なかれするものだが、この作品には当てはまらない。今にも主人公が殺されそうな緊張感が漂っている。たぶん、単に敵を強く描いているだけでなく、主人公と同格の強さを持った仲間たちが何の抵抗も出来ずに次々と殺されてゆくという〝悪しき前例〟を執拗に描いてきたからなのだろうと思うが、どうもそれだけではないような気もする。