螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

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ケイネス先生の聖杯戦争第四十七局面

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 とはいえ時臣に対して恩も恨みもないケイネス先生はこれを拒否。駆けつけてきたディルムッドからの報告を受け取る。小聖杯からなんかようわからん泥のようなものがあふれ出してきて、周囲を侵食している、と。それを横で聞いた時臣は血相を変える。なんだそれは。聞いていないぞ。さっそく使い魔を飛ばして確認すると、これはもはや聖杯戦争などという次元ではなく、重大な「神秘の秘匿」に対する脅威であると認識。その場にいたケイネス先生に、恥を忍んで事態の収拾への協力を要請した。さて、ケイネス先生的にはこんな極東のエコノミックアニマルどもがどうなろうが別にどうでもいいのだが、聖杯の降臨がどうなるのかの確認はせねばならないし、このまま黒い泥を放置して帰国した場合、魔術協会より「神秘の秘匿」の義務を怠ったかどで処罰があるかもしれない。しかし――何よりも、ここまで自分に付き従ってきた忠臣の、縋るような目に対して、少々思うところはないでもなかった。

 

 時間切れ。

 

(「このままでは無辜の民があの黒い泥に呑まれ、甚大な被害が出ます。我が主よ、どうかお慈悲を」そう告げてくる槍兵の目に、ケイネス先生は肩をすくめ、ため息をつく。らしくないことをしようとしていた。きっかけはどうあれ、絆は生まれうる。それは双方向の変化なのだ。ディルムッドがケイネス先生の非情な術策を呑んだように、ケイネス先生もディルムッドの実直さと甘さに、業腹ながら影を受けないでもなかったのだ)