螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

サイアノプさんカッコイイ

f:id:beal:20180615232234j:plain

 『異修羅』の既投稿分を読み終える。大いに唸る。巧い。面白い。巧い。なんだ、いわゆる転生者? こちらの世界から来た「客人(まろうど)」が、一人ではなく、相当数いて、作中世界がそれを認知している点が良い方向に働いていると思う。客人は珍しがられても、決して驚かれるような存在ではないのだ。そして、こっちの世界の方が明らかに技術面では上であるため、作中世界はその知識を貪欲に吸収し、メートル法などの知識が一般に根付いている。ゆえに、我々から見ても理解難易度が低く、かつ独創的な世界に仕上がっているのだ。そうであると同時に、転生者に慣れた、つまり転生者対策が万全に取られている世界であり、なんか知識チートだが技術チートだがで野放図に社会を破壊しようというアホを効果的に排斥するシステムが整っているのである。これは、個人的には実に痛快な設定である。転生者は調子こきすぎである。俺の中では彼らはもはや打倒すべき巨悪となっているので、本作のこの設定は実に心地よい。だいたい、上から目線で異世界に技術を授けるという構図自体が醜悪なものを孕んでいると思う。

 

 時間切れ。

 

(技術は人を繁栄に導くが、決して幸福にはしない。『シロガネ⇔ストラグル』でも、このことはそれなりに力を入れて描いてゆくつもりである)