ついでに、せっかくの武勇が実質ラストバトルにしか発揮されないのもなんだかなぁ
うー、『鴉龍天晴』を読了する。あのー、シュジュギアみたいな世界で、なんか攘夷するしないの内乱が良い感じにアレする小説だ。うーぬ、うーぬ、なんだろう、なんか悪くはないがまとまってないな……なんだろう、一巻でひとつのまとまった物語として構築するには、登場人物が多すぎた気がする。そして、主人公の光太郎氏が、話の本筋とほぼ絡んでいない。いやラストバトルですっごい戦うんだけど、そもそもそのラストバトル自体が内戦の趨勢にはまったく一切関わりのない戦いであり、そもそも主人公も敵側も、何か一つの物語の締めくくりとして描くに値するような動機をもって刃を交えているわけでもなく、なんか唐突に主人公が暴れ出したんで、敵役が仕方なく相手をしている的な。しかも暴れ始めた理由に、敵役氏は一切関わっておらず、この戦いはマジでただの遭遇戦でしかなく、ストーリー上の転換点にはまったくなってないのである。あとこいつらが「何ができて何ができないのか」が最後まで不明瞭なので、そういう方面でもなんか、なんかなぁ、という感じであった。いや、多岐にわたる知識量は素直に敬服するのだが、それがストーリーの盛り上がりに寄与しているかと申さば……
時間切れ。
(何のために光太郎氏を主人公にしたんだろう? この人ただひたすら強いだけで本筋にぜんぜん関われてないじゃないか)