恐らく映画とバトル物のラノベではシステムが違う
双腕に、神統器(レガリア)の重みを感じる。
リーネは困惑に眉尻を下げながら、とりあえず踏み込もうと肉体の中で重心を移動させた。
外からは、まだ動きも何も見えない。身じろぎという言葉すら過言なレベルの、ただの体重移動だ。初動ですらない。「いかんな、リーネどの。」
――にも関わらず、額を鞘の端でこつんと叩かれた。
どっと冷たい汗が出てくる。「小生はあなたの命を狙う敵である。そのような気もそぞろな体重移動、見抜かれて当然であるぞ。」
神域の武才だ。先(セン)の機をここまで早い段階で突かれたことなど、ここ数十年なかった。
唇を噛む。話していてまったくそんな気がしないが、ソーチャンどのの実年齢はリーネよりずっと下である。――騎士になると決意して、百年。わたしは何をしていたのだろう。
オークという、すでに対処法が完全に確立されている相手しか敵として現れなかったという事情こそあれど。
嫉妬と劣等感が胸を苛む。「……っ!!」
気持ちを吹き飛ばすように腹の底から声を上げた。〈異薔薇の姫君(シュネービッチェン)〉を薙ぎ払う。
剛風が吹き荒れ、周囲の落ち葉が扇状に吹き飛ぶ。
とん、と後頭部を突かれた。「く……っ!」
悔しさに突き動かされる。振り返りざまに斬撃。視界の端で消えゆく黒き残像を負ってさらに踏み込――もうとして硬いものに足を引っかけられ、転倒する。
ふわりと抱き留められた。
反射的に顔を赤らめ、突き飛ばすように離れる。「命を狙う敵ではないのですかっ!」
「で、あったな。」総十郎は秀麗な面に剣呑な笑みを張り付かせた。
「では遠慮なく。」
655字。なんだ、総十郎が嫌味だ!!!! いや、まぁその、相手の本当の感情を引き出すためにあえて怒らせるというのは、わりと奴の常套手段なところあるから……。うーん、まぁしかし、表現にこだわらないと決めて書いても千字には届かんか。うー、というか、「では遠慮なく。」からの展開が地味に思いつかなかった。ここでアイディアロールに成功していればもっと伸びたのだが。
プロットポイントとミッドポイントの名称の違いは全く意識していませんでした。4部構成の真ん中に配置されているからミッドポイントと単純に呼んでいるのかと。1部2部と、3部4部では物語の役割が違っているから、その中間点を特別な言い方をしている、ぐらいの理解でよいのではないかと思うところ……endo
しかしそうなるとプロットポイント1と2が同じ名称が使われている意味がよくわからなくなってくるので、俺は頭脳が爆発して死んだ。しかしなんだな、工学の構成理論は、俺が今まで信じてきたやつとはかなり異なるのな。つまり、起承転結で、起でプロローグとか読者を引き付けるフックだか状況説明だかして、承が一番長く、全体の半分ぐらいを占めており、主人公が大活躍する「その作品におけるノーマルモード」が描かれ、転で、それまで大活躍していた主人公でも苦戦するヤバい敵と戦うことになってボロボロになりながら勝利し、結がエピローグ、と。そうゆうのが構成だと思ってきたのだ。シロガネもこのノリで書いている。しかし工学的では、前半に主人公を活躍させてはいけないという。
時間切れ。
(話は遠藤さんへのレスに戻るが、前半と後半で物語の役割が違う、その転換点ゆえに他とは違う名称が使われているとすると、プロットポイント1と2も性質が真逆に違うと思うわけですな。1では状況が悪化し、2では改善している。しかし名称は同じ。解せぬ……)