螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

既知の未知化

 『風龍』を読み進める。本作の無数にある美点のひとつに、既知のものを再び未知のものとして描きなおすことに成功していることが挙げられる。まぁ、剣と魔法ですよ。手垢にまみれつくしていますよ。そこに斬新さなど到底宿るはずもありませんよ。と、凡人なら思うところだが、本作はそんな思考を軽々と超えてゆきますよ。まぁ、ファンタジーでおなじみのさまざまなモンスター。いまさらそんなものを大真面目に出したところで読者に与える衝撃などたかが知れたもの――ではないのだ。再び、彼らは未知の闇に潜む恐るべき脅威として迫ってくるのだ。この感覚は、たとえば『シン・ゴジラ』に非常に近い。ゴジラ? あぁあのブレス吐くでかいトカゲね。ははん? みたいな心持でいた俺の横っ面を思い切り張り飛ばすあの作品。あの中でゴジラは再び未知の恐怖となった。何か根本からわけのわからない生物が、その変態の途上でたまたま二足歩行の恐竜に見えなくもない形態をとっただけという

 時間切れ。

(モンスターは、怖い。それを思い知らせてくれる)