ケイネス先生の聖杯戦争第三十局面
ランスロットに狙撃技術などない。ではどうしたのか。舞弥はんである。いや待て待て、ランスロットが宝具化した狙撃銃はあくまで「ランスロットの宝具」であって、ランスロット以外の者には扱えないはずである。だいたい、ランスロットが手を離した瞬間宝具化は解除されるはずだ。よって舞弥狙撃プランは不可能である。いや、ちょっと待て。それは早計ではないのか。例えばギルガメッシュである。奴はこの世のあらゆる宝具の元ネタとなった原初宝具をすべて所持している。ということは、例えばゲイボルグの元ネタも当然持っていることだろう。ゲートオブバビロンでそれを取り出して、「ゲイボルグ―!」って叫びながら突き出したところで、因果逆転の呪いは発動しない。あくまでギルは所有者であって担い手ではないからだ。ところが――そういう超常的な機能ではなく、槍として普通に使うことはもちろん可能である。槍という器具の基礎的な機能は、担い手でなくとも問題なく使えるのだ。この原則が、ランスロットの宝具化狙撃銃にも当てはまるのではないか? 引き金を引くと弾が出る、というのは銃の最も基礎的な機能であり、担い手でなくとも引き金を引けばとりあえず弾は出るのでは?
時間切れ。
(しかしそれでもランスロットが手を離したら宝具化が解除される問題の解決にはなっていない。次回、種を明かすとしよう)