螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

ぽー!!!!!!!!!!!!!!!

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 「諸君、集まったな」なんかクークラックスクランみたいな白頭巾をかぶった数千人の集団が、俺の前で整然と整列していた。「今回集まってもらったのはほかでもない。遠藤陛下を早急に救助しなくては非常にまずいという事実が発覚した」「どういうことです?」白頭巾の一人が尋ねる。こいつらは全員俺の歪律領域(ヌミノース)によって発言した幻影のようなものだが、思考能力を持ち、実際に物質に干渉できる。「うむ……極めて憂慮すべき非常事態だ。遠藤陛下は最近帰りが十二時をまたぐらしい」そういった瞬間、白頭巾どもの怒りと殺意が爆発的に膨れ上がった。「貴様らも知っているだろうが、正常な人間がファッキンスカムクソ罰ゲームである労働とかいう行いを日付が変わるあたりまで続けるなどという常軌を逸した生活を何週間も続けた場合、発狂は免れない。つまり遠藤陛下は現在正常な状態ではないということが明らかだ。恐らく大量のヒロポンとか静脈注射され、あとなんか変な電極を何本も頭にぶち込まれて苦痛を感じなくさせられているに相違ない。そうでなければこの異常な状況の説明がつかない」「なん……だと……」愕然と、絶望的な沈黙が白頭巾たちと俺の間を立ち込めた。「――殺さなきゃ」誰かが、ぽつりとそういった。「そうだ……滅ぼさなければ」「許せん」「志尊なる陛下の玉体になんたる不敬……」「殺さなくては」「お救いしなくては」「俺たちは!」こらえられなくなって俺は声を上げた。悔恨の涙が後から後から溢れて止まらなかった。「矛を収めるべきではなかった……! 陛下が出勤してしまったからと言って、諦めてしまうべきではなかった……! これは俺たちの怠惰と怯懦が招いたことだ!」「そうだ!」「そうだ……!」「申し訳ありません遠藤陛下……! 俺たちが腰抜けなばかりに……!」「殺すべし」「滅ぼすべし」「まっとうなマネジメントもできず何の落ち度もない遠藤陛下を虐げ搾取し続ける無能企業滅ぼすべし!」「あとクレーマーも全員殺せ! 凌遅刑か火炙りで!」俺たちはいっせいに鬨の声を上げ、駆け寄ってきた樹精鹿たちの背に打ち跨った。「行くぞ貴様ら! 神聖遠藤帝国はやはり人類社会に必要な存在だった! 遠藤陛下に虐げていただくことこそがホモ・サピエンスの至上の幸福なのだ! それを今からわからせに行く! 鬼となれ! 慈悲をかけるな! 奴らの苦痛の悲鳴が、新世界の誕生を寿ぐ讃美歌となるのだ!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」「鏖!」こうして、正義を執行するため『遠藤親衛騎兵団(エンドイオン・ヘタイロイ)』は、さながら一陣の風のごとく、あるいは雷鳴のごとく、大地を疾駆していった。無念を噛みしめながら。満腔の憎悪とともに。

 

(続かない)