螺旋のモノリス~京都湯けむり殺人神父ラヴィニ―のドキ☆釘付け魅惑大胸筋~

小説書きでミニチュアゲーマーが何の生産性もない無益なことばかり延々とくっちゃべってるブログ

「自分をフった女のストックは多ければ多いほどいい」とか思ってそう

 『楽園追放 rewired』を読み始める。あのー、虚淵先生が選んだサイバーパンク傑作選である。まぁ何と言いますか、アンタゴニアス二部の構想とか固めたくなってきたので、ここは俺にとっての神であるところの虚淵玄オススメサイバーパンクをキメてみようというアレであるが、最初の『クローム襲撃』を読了した。ひょんなことからソ連製のやべー軍用ハッキングプログラムを手に入れてしまった主人公コンビが、手を出すと必ず凄惨な報復をしてくると名高いビッグネームの資金をサイバースペースバトルで奪い取ろうと画策する物語であるが、要はニューロマンサーのプロトタイプであるらしい。つまり本作こそがこの世で最初に現れたサイバーパンクであると言える。主人公の相棒であるボビイ氏の、なんというか、カッコよく命を懸けることが目的になっており、それにふさわしい動機として女を利用しているというねじれた精神構造がいいなと思った。客観的には惚れた女のために命を懸ける熱い男なのだが、実際には命を懸けることが目的化しており、「女に惚れる」ことが手段になっているのである。まったく高潔ではないのだが、どこまでも己の欲望に素直になった結果出力されてくるのが利他的な行動、というのはかなり好みの人物造形である。

 

 時間切れ。

 

(恐らくボビイ氏は上っ面は良いのですぐ女を落とせるが、付き合ううちに女に向ける気持ちの空虚さを感づかれてゆき、ほどなくフられる、という流れがテンプレ化しているのだろう。そして彼にとって「自分をフった女のために命を懸ける」のはさらにいかした目的となりうるので、フられることを内心歓迎していたのではあるまいか)